小路啓之「小さな世界」「かげふみさん」

「イハーブの生活」から五年ぶりの連載!新刊!しかも同時に二冊!待ちわびていた漫画家さんの単行本が出るのは不安と期待が入り混じりますな…。「小さな世界」は短編集、「かげふみさん」はWEBコミック幻蔵にて連載中!
正直、小さな世界の方は1作品のページ数が少ないせいで、小路啓之の良さが活かされてるとは思えなかった。端々に彼らしさが垣間見えはするものの、物語を簡潔に完結させるためどうしても深く踏み込めていない。重いテーマをさらりと描く彼の手法が、上滑りしているように見える部分も。とは言え、(果たして何人いるのかは謎だけど)小路啓之が好きで好きでたまらないひとにはマストな一冊。僕は彼の過程を知ることができただけで大満足。
対して「かげふみさん」。これのために連載時よりウェブマネーを購入してDL購読して、「イハーブ〜」よりもクオリティが下がってしまっていたのではと懸念落胆し三ヶ月目で見切りをつけてしまっていたのだけど、改めてコミックを読んだら全然そんなこと無かった。すごく、良かった。そういえば「イハーブの生活」もアフタヌーンで連載していたときは展開の速さについていけなくなったりもしていたんだった。(僕の理解力が無かっただけという説もあり。)相変わらずの言語センス。台詞回しというべきか、言葉遊びというべきか。
ギーゼルバッハ部位からオランダ風船妻まで。知的好奇心及び性的好奇心をくすぐる語彙選択が絶妙です。前者はグーグルで僅か2件のヒット。後者はまあ、アレの別称ですが。笑

掃除機はねーよ
今後の展開に、眼が離せません。
駄作になるか傑作になるか。期待して待ってます。
あらすじなどはwikiをどうぞ
つかげふみさん - Wikipedia -
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コメント
- ギーゼルバッハ部位じゃなくてキーゼルバッハ部位では?と通りすがりにカキコしてみました。
- こんにちは。ご指摘ありがとうございます!
読み返してみたのですがコミックにはしっかりと「ギーゼルバッハ」と印刷してあったので誤植かもしれません。
発音表記の問題かもと思って調べてみたのですが「Kiesselbach」なのでギに濁りはしないですね。
ドイツ語読みで「ギ」になったりするのでしょうか?解りません。
ちなみにかげふみさん2巻でも「テ・レレンガ ワイルア」などなどマイナー単語が出てきます。
- "Te Rerenga Wairua"はマオリ語で"魂の旅立つ場所"みたいな意味らしいですが、それがあや取りの技名…笑
「かげふみさん」ってどんなマンガかなと検索していてここに辿りついたのですが、面白そうなので買ってきます。
- しまった………!!!
すいません、またやってしまいました。
「テ・レレンガ ワイルア」は「かげふみさん」2巻では無く、
それと同時発売した小路啓之短編集2「Lovely」の方で出てきた用語でした;;;
勘違いさせてしまってすいません。
(ただ、個人的には「かげふみさん」のがおすすめです)
一巻ではまだ物語が進行していないせいかふわふわしておりあまり心が掴まれないかもしれませんが、
二巻では急転していきますので、是非二巻まで読んで判断して戴きたいです。
ちなみにこちら↓
http://kumagaiyusuke.blog96.fc2.com/blog-entry-130.html
に「かげふみさん」2巻についての感想を書いてますので読んで貰えれば幸いです。
(ネタバレあるので注意。)
2巻でも第一コマ目からなにげなく出てくるスーパーでカツ重中西敬二朗作の文字。
産地偽装していないことを否定するために良く製作者の名前が載せられていたりするものですが、
中西敬二郎(これまた朗が違う)さんはカツ丼の創作者でもあります。
(たぶん普通のひとは一緒に貼られている「99%引き」シールに目が行く)
その他、書いてあることばひとつひとつに注目し調べることによって初めてわかる小ネタが
これでもかと鏤められており、決して一度読んだだけでは満足できない素晴らしい作品になっています。
なお、現在絶版となっているかと思いますが、
講談社(アフタヌーン掲載)で発売された前作「イハーブの生活」(全三巻)も大傑作ですので
ブックオフなどでもし見かけたさいは是非手に取ってみてください!(なんか回し物っぽい 笑)

